2009年5月26日火曜日

学校のレベルってやっぱり気になるよね

 ここで、アメリカの公立小学校について少し説明しておきたい。

 ご存知のように、アメリカの公立小学校は地域の教育委員会がある程度の学習内容のガイドラインを決めている(日本のような全国共通の教育基本要領はない)。従って、保護者達は、自分の子供を少しでも良い教育委員会が管轄する学校に通わせようと奮闘するのである。
 もちろん、知人からの評判や学校のホームページを参考にしたりするのだが、ここで威力を発揮するのが不動産屋の情報である。基本的に住宅の相場が学区の良し悪しによって決まるので、不動産屋の提示するデータは信憑性がないといけない。参考までに、不動産会社が発行している資料に下のようなものがある。http://www.mccormacks.com/content/view/ 

 リンクのものは、少し古いバージョンだが、学校の”相場”が分かる。例えばこの資料で、とある小学校2年生の算数の欄に99とあるとすると、その学校に通う2年生の子供の算数の成績が、その州全ての小学2年生の算数の成績の中で99%以上の良い成績を収めているということになる。つまり、その学校のアニュアル・レポート(その学校の一年間の情報。生徒数や生徒の成績、教員数、教員のサラリーなど)では分からないその学校の州内での立ち位置を確認することが出来るのだ。
 この資料では、学校が教育委員会ごとにリストアップされているので、その教育委員会が管轄しているどの小学のどの学年のどの学科も90以上あるとなると、その教育委員会は”すげぇ~”ということになり、その分、教育方針も学習要領も先生も質が良いはずだと推測することが出来るのだ。そうして、この教育委員会が管轄している範囲の住宅は必然的に相場が高くなるというわけである。

 因みに娘の通う小学校は、カリフォルニア州で、80後半から100の間にどの学年のどの学科も属しているので、学力のある学校だということが出来るだろう。
 
 上述の学校が公開しているアニュアル・レポートだが、このレポート内でもう一つ注目したいのは、人種の比率をデータ化したページである。一般的に、学力のある学校を探そうとすると、アジア系が多くなってしまうのだが。せっかく渡米したのだからと、欧米人比率の多い学校を選ぼうという時なども、必ず目を通したい資料である。

 娘の通う小学校は、実に多人種で、欧米系が全校生徒の約半数。そのほかの半数を、さまざまな人種が占めている。一番多い外国人種は恐らくインド系ではないだろうか。日本人は全校生徒約600人中10人程度と、極めて少数民族だと言えるだろう。この間も、娘のクラスに全く英語が分からないロシアからの女の子が転校してきた。
 このように多人種の学校では、英語を母国語としない子供達への英語補修プログラム(ESL:English as a Second Language)が充実している。たいては不定期に自分のクラスを抜け出してこのESLクラスに30分ほど参加したり(1対1,2などの少人数制である)、放課後にやっている学校もあったりする。そして、毎年、学年初に受けるESLの英語学力レベルテストや、去年と今年の担任の先生からのコメントを参考にして、その子が今年もESLのクラスを受ける必要があるかどうか、教育委員会で判断される。

 それから、クラス編成だが、学年をまたいだ混合クラスというものもある。アメリカの小学校はKinder Gardenから始まり、1st Grade, 2nd Grade~5th Gradeまでだというのはご存知だろう。その中で、Kinder と1stをくっつけたK1クラスや、1st と2ndをくっつけたクラスなどがある。
 娘も幸いK1クラスに組み込まれた。"幸い”としたのは、結果として良かったと思ったからである。クラスの中では1stの子とKの子が面倒を見たり見られたりと助け合いの精神も生まれているようだ。
 学習面では、結局熟度別にグループ分けされるので、1stの子の学習がKがいるせいで足を引っ張られることもない。Kで出来る子は、1stのテキストをやったりするし、熟度別グループでは、Kの子が1stの子より上のグループにいるということも珍しくない。そこらへんは先生も生徒もドライである。また算数の時間だけ、1stとKの子は分かれて、1stは他の混合クラスの1stの子と合体して一緒に授業を受けたりする。
 何よりも、混合クラスの子は、Field Trip(遠足)も学校の行事もKの分も1stの分もダブルで参加するので楽しそう。
 噂では、混合クラスの先生の方が優秀という話もあるので、混合クラスだというと、大抵、お母さん達に”良かったね”と言われる。低学年の一クラスの人数は約20人前後(教育委員会による)。娘のクラスも、出入りがあるものの、たいていKが10人、1st 10人の半々に保たれている。

 
アメリカの小学校、少しイメージ沸いただろうか。今後の投稿は、これらを前提に読み進めていただければと思う。

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