2009年6月5日金曜日

手作り小冊子の進化 (1年生9月)

 ここで、少し学習の進化というか、先生がどのように生徒を導いているのか伺い知ることが出来るものとして、再度、手作り小冊子について取り上げてみたい。

 以前、新学期早々の色の名前を覚えさせるための小冊子について紹介したと思うが(アーカイブ5月の”手作り小冊子”参照)、学校始まってひと月過ぎたころ、先生は、このような小冊子を配った。(もちろん、手作り)



 恐らく、前回のあの超シンプルな”色”についての小冊子を踏まえてのものだと思うが、今回の小冊子は、文章になっていて、それぞれのページでまた、色塗りも出来るようになっている。(写真のものは、娘が色を塗った後のもの)
内容を紹介すると、(番号はページ)

表紙: Red is an Apple
1:Red is an apple on a tree.
2:Yellow is the sun shining on me.
3:Orange is the umbrella over my head.
4:Purple is the lamp by my bed.
5:Green is the leaf on a twig.
6:Blue is the ocean oh, so big.
7:Pink is the flower I see outside.
8:Gray is the elephant I like to ride.
9:Brown is a rabbit in a hat.
10:White is white and that is that.

 繰り返しになるが、新学期当初の小冊子と比べ、ひと月あまりで、小冊子の内容が単語読みから文章読み へと変わっている。というか、先生がそう仕向けているのである。
 
 忘れもしない、この小冊子を子供達に読ませる日が、私の初ボランティアの日であった。
 先生からこの小冊子を一人ずつ配るよう頼まれ、そして、必ず一人ずつ2回読ませるようお願いされた。クラスの人数は20人。Kinderの子も半数いる中で、一人ずつ見て回るのは、かなり大変だった。私が回っていくのを待っている間、子供達の中には色を塗りだして、例えば8ページのGray is the elephant I like to ride.の像をで塗ちゃう子もいる。こういう時に、「あ、この子はGrayという単語を読めなんだ」と分かる。
 
 その間、先生は何をしているかというと、生徒達を一人ずつ呼んで、教室の端っこで本を読んであげているのだ。その子のレベルに合わせて読み聞かせをしているのである。アメリカの学校は基本、熟度別なので、先生は、その子その子のレベルに合わせて対応しようとするのである。そうなると必然的に、間をつなぐために、私のようなママさんボランティアが必要になってくるのである。

 本当に、学校が始まってから、先生は口癖のようにリーディング!リーディング!と言っていた。しかし放っておくと、子供たちは自分の読めるレベルよりもはるかに高度な本や、逆に簡単すぎる本を手にしたりする。そうなると読書好きにはならないし、リーディング力もつかない。

 これは、私の察するところだが、先生がクラスの子一人ずつ呼び出してやっているリーディングでは、その子のレベルより若干上のものを選んで読み聞かせてあげているように思う。一方で、自分独りで文章を読めるようにするための基礎的なスキルは、このようなシンプルな小冊子で培うようにしているのではないだろうか。先生は、このようにリーティんグに関して、二大主柱を立てているように感じる。

<リーディング力強化のための二本柱>
①先生の読み聞かせ(若干レベル上)→応用力強化
②手作り小冊子、Poems等(平易な文章)基礎力強化

 基礎的なリーディング・スキルを培う方ではPoem(詩)も一役かっているわけだが、これは、次回、紹介しようと思う。