2010年1月29日金曜日

ハロウィーンは枯れ葉色? (1年生 10月)

 そろそろ1年生の10月の内容に移ろうと思う。  
 皆さん、10月というと、何を思い浮かべるだろうか。
 私は、夫も娘も10月生まれなので、10月になると煩悩が増える。
 
 アメリカでは、誕生日パーティというものが盛大に行われる。そんなことは予備知識で知っていた。しかし、実際、スゴイ。自宅でやるのは稀で、逆に至る施設で、”バースディ・パーティ企画しま~す”というのを見かける。科学技術館みたいな所から空手道場といった習い事の教室、娘が通うスイミングスクールでもそんなバースディ・パーティのパッケージがあった。公園にテント張ってバルーンでも飾り付ければ始められちゃう。もちろん、バースディ・パーティの専門施設もたくさんある。

 娘はクラスのお友達の誕生日会で、同じバースディ・パーティの施設に3度行った。そこは、大きな体育館みたいな中にエアで膨らませた滑り台やらトランポリンやらがあって、初めの1時間くらい、皆そこでピョンピョンと思いっきり遊ぶ。そして、時間になったら、隣の会議室みたいなところに移動し、ケーキやピザタイムの始まり。皆が持ち寄った誕生日プレゼントを主賓の子に渡して、解散、という流れのところである。
 親たちといえば、一度、その施設に子どもを送り込んだら、パーティが終わる時間まで、どっかに行ってしまう。一時的な託児所感覚である。参加費は全額、主賓負担。その代わり、子供たちは誕生日の子にプレゼントを持ってくるのが暗黙の了解となっている。
 
 一度、主人がそのバースディ・パーティ施設に娘を迎えに行ったら、主賓の子が友達たちに囲まれてプレゼントを開けている光景を目にしてしまった。よく映像でみかけるあの典型的な光輝くような光景である。かなりインパクトがあったようで、帰って来たら、娘の誕生日の時もそこでやろう」と言いだしたのだ。娘も、「やりたいやりたい」と言うではないか。

 ありえない!

 誕生日というと、あれですよね。自分の子どもが生まれた神聖な日。
 そんな日に、流れ作業的にことを済ませるなど、逆立ちしても出来ない。
 人数が多ければいいという話ではない。心底お祝いをしてくれる人たちだけで、全てのものに感謝しつつ、しんみりやりたいのである。願わくば、家族3人みずいらず、しっぽり行きたいところである。
 しかし、アメリカにいる限り、そういう訳にも行かないご様子・・・。
 とりあえず去年は、娘の誕生日の日に、クラスに人数分のカップケーキとジュースを差し入れた。これは、基本中の基本、誰もがやっている最低限のフォローである。
 が、今年はこうはいかないだろう。アメリカにいると、誰もが一度は通る道、バースディ・パーティという険しい道を通らなくてはならない・・・。
 そう考えただけで10月は全て枯れ葉色に見える。

  
 
 そんな私を尻目に、10月というと、アメリカではハロウィーンである。イェ~イ!(お待たせしました。ここからが本題)
 
 まず、学校のフィールド・トリップ(小遠足と称して、近くのPumpkin Patch にみんなでくり出す。このPumpkin Patchというのは、農家などが、普段空き地になっているスペースに、たくさんのかぼちゃを転がしておいて、子供たちに自分の好きなかぼちゃを一つ選んで持って帰ってもらう、というもの。それだけじゃつまらないので、大抵、わらなどを積んだトラックの荷台に乗せてくくれたり、小動物と触れ合えるコーナーがあったり、クラフト・コーナーが出没したりといった催し施設が、この時期、あちこちで出現する。
 

 クラスでは、そのパンプキン・パッチに行く前に、先生は”今だ”とばかりに、以下のようなものを教えだす。



  つまり、ジャック・オ・ランタンが出来るまでの流れである。
  seeds から始まり、vineflowers → small pumpkin large pumpkinJack o Lantan
というわけである。
  ちょっとサイエンスが入っていて何だか得した気分だ。


 これの発展形がこちら。

  

私は誰?クイズである。

1,  I hold plants in the soil. → roots
2,  I help hold up the plant.→   stem
3,  I make food. →  leaves
4,  I make seeds. → seed coat
5,  Most plants grow from this. →  seed



さらに、たたみかけるように、こんな冊子が配られた。



 





 10月は、子供たちに植物の成り立ちをインプットするのに先生もご執心。でも、一つのことを何度もしつこく、定着に持っていこうとする先生の心構えには、あっぱれ、である。

 前にPoemでも触れたが、アメリカの学校は、このようにして、イベントに便乗してあれこれ教えるのが大得意である。日本では、お正月にお正月遊びなどをさせる学校もあるが、福笑いの”福”の漢字を丁度この時期に習わせるといったところまでは、さすがに合わせて来てはいないはず。
 (実はそうだったりして。”文部科学省よ、ありがとう” と一応、言っておこうか)

  こういったところが、アメリカの学校に教科書がなくて、教師の力量でいかようにも学習内容を組み立てることができる、その醍醐味があるように思う。 

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2010年1月13日水曜日

Sort (分類) はそーっとやろうね! (1年生9月)

 先生が用意してくれる教材の中で、仕分けの作業、というのが結構ある。
 例えば、これ。

 これは、 ”L”(小文字 " l " )で始まる単語とそうでない単語を分ける、という単純なもの。でも、実は発音の勉強 phonics study) である。
 
 写真のものは、もう娘がやった後のプリントなので、猫(?)が持っている ”I” (小文字)の下には既に lamp,  ladder,  leaf,  letter が貼られている。が、もともとはばらばらにある絵をそれぞれ切り離して、猫の部屋とゴミ箱 (L以外から始まる単語)の部屋に仕分けして貼っていくという作業である。
  教師向けの指示(写真上部)には、「まず、" l "をエルと何度か発音させてから、lampなどの単語を読ませて下さい。」と書いてある。簡単に見えても、まずこれ、単独だとエルだけど、単語になると とか ルッ とかいう発音になるのだから、しっかり子供たちに教えなくちゃいけない。
  同じ話で、bビーだけどブッbook 等)、c シーだけどクッcook 等)。なので、同様のプリントが a から z まである。

 余談だが、1st Gradeくらいの子たちが本を読むとき、例えば、This is a pen. という時、”ディス・イズ・・ペン” じゃなくて、”ディス・イズ・エイ・ペン”と読む。何でも、a が出てくると、エイ、エイ言うのである。だけど、なぜか2nd Gradeになるとちゃんとみんな "ディス・イズ・・ペン" と言えるようになっているから不思議だ。


 次の切り貼り作業はこれ。

 前回お話した脚韻と関係あるのだが、-apで終わる単語と-at で終わる単語を分類するというもの。これも娘が既にやった後なので分類されているが、もとはそれぞれ単語がバラけて一枚のプリントに印刷されていて、それを切り離し、片目モンスター(?)と四つ目モンスター(?)のグループに仕分けて貼っていく作業である。なぜモンスターなのかよく分からないが、先生は、早く終わった子はモンスターに色塗り出来るからね~」って声をかける。(そうきたか!)。それで、子供たちは我はやしと勇んで作業に取り掛かるのである。 

 これまた余談だが、ご存知かもしれないが、アメリカの小学校は一人一人に机があるのでなく、だいたい何人かがひとグループで一つの大きめの机を共有するようになっている。日本のあの理科の実験室みたいなイメージだ。
  なので、こんな切り貼りしてると、必ず(というか当然と言うべきか)、隣の子が切った "gap" を使っちゃったとか "map" を切り取ったのになくしたとか、よくある。で、騒がしくなって、先生がものすごい音のなるベル(メイドがディナーの時に鳴らすような手ベルだが、けたたましい)とか、(あの体操の笛)をピーッ!!!って鳴らして、一瞬教室内がシーンとなる、というのが繰り返される。このシーンとしてみんな真顔になる一瞬、私などはなぜかプッと噴出したくなるので、個人的にはこの切り貼り作業のお手伝いはご遠慮したいところである。

 さらに余談だが、このような切り貼りのややっこしい作業を、テーブルをローテーションさせてやろうか」って先生が言い出すのである。つまり、理科の教室のようなテープルごとに座っている子供たちが、この1テーブルではモンスターの切り貼りをし、15分後にローテーションのベル(あのベル)が鳴ると、次の2テーブルに移り、今度はネコさん”l "の切り貼りをし、そして次にまたあのベルが鳴ると、3テーブルに移り・・・・(以下、5テーブルまで続く)、という感じでローテーションさせるのである。もう、 "gap" やら "map" やらが舞うのなんのって・・・。
  こうして何週間か経った後、ついに先生の口から「どうやらローテーションなしで、一つの机でずっとやらせた方が良さそうね」と。もう"I agree (即答)"である。


 余談が多かったので、最後に一つ。


 これは、切り貼り作業ではなく、単語の後半の欠けている部分に "ad" を書き加えて完成させる作業である。adと書き加えていくだけなので簡単なのだが、必ず声に出して読みながら書くのがポイントである。最後に絵を見ながら、一文を作るところなど、なかなかオツである。写真のものは、一番下にある絵を見て、Dad is sad. と Tad is mad. という文を完成させるようになっている。数ある-ad単語の中でも、Tad は人名だということだ。この表だと Brad もそうである。

 このようにして、子供たちにフォニックスを定着させていくのである。

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2010年1月8日金曜日

Poemって愛されてるんだね

 アメリカの小学校は、Poemが大好きである。
 
 前回、教師がPoemをリーディングの二大柱の一つにしているようだと紹介したが、そのPoem、一年生の一年間を通して、通算30篇の詩を朗読した。一年で30篇というと、ちょっと少ないと思われるだろうか。詩って短いしね。でも、これをソラで読めるほど何回も読ませるのである。
 前にも、アメリカの子供たちはおしゃべりは上手だが、それで字が読めるというわけではないと話したが、このような詩の暗誦により、言葉と文字の一致を図っているのだと思われる。

 これに加えて、これら30篇ほどの詩は、その時その時の時事や季節のイベントと関連して出てくる。例えば、2008年11月、オバマ大統領が大統領選挙に勝利した際には、下のような詩が配られた。
       
タイトル: Our Frag
       Red strips,
       White strips,
       Stars on a sky of blue.
       The flag stands for freedam
       For me
       And for you.
 短くてシンプルな詩だ。でも、三行目は S が二回出てきて、四行目は F だらけだ。実際読んでみると、”Stars on a sky"なんて、すごく言い易かったりする。 残念なことに写真の星条旗、Starsがskyにない。娘が描いた。詰めが甘いと言うべきか・・。下に手書きで、Mr.OBAMA winsって書いてあるが、先生からオバマ大統領のお話があったそうだ。
 
 上の詩は頭韻だが、脚韻もよく使われる。"The itsy bitsy spider"など。rhymeと言うのだが、学習していく上でよく登場する。Phonetic word pattern (音声学上の型)、と称し出てきたり。
  現在、娘はもう既に2nd Gradeだが、毎週末に20個ほどの単語テストがあり、だいたい、phonetic word pattern が同じ単語を同時に覚えさせられる。pleasure, treasure, capture(-ure)や、sent , confident (-ent)など。大人から見ると、同時に覚えさせるなんて混乱しやしないかと思うんだけど、逆に子どもは覚え易いのかもしれない。後にも触れるが、このような脚韻の学習は大事なようで、1st Gradeから始まる。
 
 さて、Poemだが、こういうのもある。

 タイトル:Contraction Action
    You pop some letters out
    You put apostrophes in.
    That's the way you must begin.
    To do contraction action-
    Is as easy as can be.
    Come on and dance with me.
    Oh yeah !
 これは、アポストロフィ学び始めた時、それを定着させる為に先生から配られた。よくインフルエンザが流行ると、手洗いの歌が出てくるのと同じノリだろう。

手書きのThey'll だが、う~ん、残念!w じゃなくて、wi が足りない。娘が書いた。やはり詰めが・・・。最後なんでLet's dance!なんだ?とか、イェ~イ!はいらないだろうといった突っ込みは、この際なしにしよう。

 それから、下は、President Dayの週に配られた詩だ。Lincoln と Washingtonを称えていて、『America』の替え歌として歌えと書いてある。
 * President Day:2月12日がリンカーンの誕生日で、2月22日がワシントンの誕生日なので、アメリカでは2月の第3月曜日をプレジデント・デーとして偉大な二人の大統領を敬う日となっている。
















 このように、アメリカの小学校では詩が大活躍である。低学年はこのような親しみやすいものが大半だが、高学年になると、自分で詩を一編見つけてきて、それを暗誦して発表するという宿題が出たり、一週間に一編の詩を暗誦させてテストする先生もいるらしい。

 Poemって愛されてるんだね。