2010年2月13日土曜日

ザ・米流読書の奥義

  思えば、アメリカに来て(娘がまだ1st Gradeの9月ごろ)、一番初めに娘に買ってあげた本はこれだった。

 

 内容は、ライ豆が好きな女の子が、友達がそれを嫌いだと知って、皆に合わせようとして食べなくなり、全身がシマシマ模様や星条旗模様になったりするというお話。オチは、好きなお豆を食べたら元の身体に戻れた、というもの。
 う~ん、・・微妙。絵もグロテスクだし、まず、アメリカの子どもでも、周りに合わせることがあるんだって、それ自体に驚いてしまった。
 この本、以前話したブックフェアで娘にねだられて買ったのだ。聞けば、クラスに同じ本があって、先生が何度か読んでくれたというではないか。先生のお墨付きか・・・。
 
 さて、この本、写真でも分かるように、付箋がたくさんついている。初めて買った本で、気負って娘に読み聞かせをしてあげたものの、娘が分からないと言った単語を、その都度辞書で調べて付箋を貼ってあげていたのだ。よく頑張った、と自分を褒めてやりたい。
 しかし、これ以降、英語の本の読み聞かせは、殆どしなくなった。人間、やはり無理はいけない。
 
 読み聞かせが長続きしなかった原因は、やはり辞書だろう。思えば、日本語の本の読み聞かせの時、辞書など使わない。分からない言葉が出てきて娘に聞かれた時、自分の言葉で適当に説明してあげてたっけ。なのに、なぜ英語の本となると、辞書などひっぱり出して、ひきひき読み聞かせをしてしまったのだろう。もちろん、自分も分からない単語が出てきた時は仕方ない。でも、日本語の本でも、分からない言葉が出てきた時は、大人でも子どもでも、前後から推測してぼんやりとしたイメージを持ったまま、読み進めているケースが多いのではないだろうか。


 多読をしている方々からよく貰うアドバイスとして、「分からない単語に出くわしても、そのまま読み進めること」 というのがあるのだが、アメリカの小学校では、まさにこれを実践していると思う。 

 
 娘がアメリカの小学校に入学して暫くたったころ、BORDERSというアメリカの大手本屋に入会し、そこの40%クーポン券を握り締め、娘のために子ども用の英ー英辞典を買いに走ったものだ。で、購入したのが、このSCHOLASTIC 社のChildren's Dictionaryである。



 読みやすくて、図解があって、私はかなり好きである。例えば、このfan の解説一つとっても、スターのファンである fan の定義から始まり、Japanese 扇子のイラストも美しく、Word History のコーナーでは、fan はfanatic (狂信者)の省略形だと解説している。
 

 しかし、残念ながら学校の教室でこのような辞書にはお目にかかれない。教室で子供たちにものを教えるのは辞書じゃなくて 教師 だ、とでも言いたげである。もしかして先生の机の引き出しの中にあるのか? アメリカの子供たちがものぐさだからだと思うが、はい、私もそうである。学生時代、英語で分からない単語に出くわすと、まずGuessする。それでも分からない時は周りの人に聞く。で次に電子辞書。で、それにも載っていない時にようやく重い辞・・、おっと、ようやく放置である。
  上のライ豆本のエピソードから分かるように、母になって、どんだけ無理しているか、という話だ。   だが、やはり辞書を引いてる姿って美しいよね。というわけで、娘のそんな姿が見たくて、毎週単語テストで出てくる単語をいちいち調べさせて付箋をつけさせている鬼母である。娘は、何のためにこんなことするの?とでも言いたげなお顔。

 彼女は今、2nd Gradeだが、最近、Dear America というシリーズの本にはまっている。聞けば、一番仲のいい子が読み始めたから、一緒に読んでるというではないか。喜ばしい!正しい読書へのいざないである。 
 このシリーズは、Scholastic社から出版されていて、著者はまちまちだが、全て少女の日記形式を取っており、アメリカの歴史をリアルに体感できるフィクション・シリーズである。全40冊ほどあると思われるが、日本でも一冊 『メイフラワー号の少女』というタイトルで邦版が出ている。この一冊で、いかにアメリカ人が毎年11月末のThanksgiving(感謝祭)を大事に思っているか分かるはずである。
 さて、写真のユダヤ人移民の少女の日記だが、ぱっと見た目の字数を知ってもらうため、中身の写真も貼っておいた。




 このぎっしり度で180ページある内容を、もしも辞書をひきひき読んでたらどうなるだろうか?ヒーヒーフーフー言ったところで、読み終えられる量ではないだろう。
 しかし、娘もそのお友達も、これをダーッと読むのだ。このダーッとが、実はザッとだったりして、という不安にかられ、恐る恐る 「どうだった?楽しかった?ママも本当はとても読みたいんけど、読む時間ないから、どんな話だったか教えてくれる?」 と白々しく娘に聞いてみたりする。すると、いちおう涼しい顔で、こんな話だったよ、と教えてくれる。
 きっと細かいところでいろいろと取りこぼしがあるだろう。分からない単語も絶対あったはず。どこまで深く内容を理解できているか、すごーく気になる。でも、いつからか、もう腹をくくるようになった。ここはアメリカ。ザ・米流読書スタイルで行こうっと思うようになったのだ。
 
 
 日本では、教科書に出てくるお話の内容を、何時間かかけて教室で勉強する。 「ここでいう”あれ”とは何をさしているのか」 とか、「その時の〇〇はどんな気持ちたったか」 とか、手取り足取りである。しかし、こっちではそんな親切なことはしてくれない。 「読解力は、本にたくさん触れれば触れるほど身につくものであり、自分で身に付けていくものだ。つかんもんは知らんといった感である。言い換えれば、日本流はミクロからマクロ、アメリカ流はマクロからミクロ的なアプローチだと言えるだろう。
 
 下のは、現在 2nd Grade の娘の読書ノートである。

 宿題の一貫として、先生に指定された本を週1、2冊持ち帰り、その本を読んでこの読書ノートに記録をつけていくのである。そして、必ず、簡単な My Opinion(感想文)Summary(要約) を書かなければならない。このSummary だが、一冊の本を読んで、どんな本だったのか、人に紹介する形でまとめて書くということは、大人でも難しいと思う。それを、出来はどうであれ、小学二年生から公立の小学校で普通にやらせていることを思うと・・・、ちょっと聞き捨てならないかもしれないが、「アメリカで育った子には叶わないなぁ」 と思えてしまうのである。

 細かいことは気にするな、量をこなせ、大意だけを掴め

 これぞ、ザ・アメリカ流読書の奥義ではないだろうか。

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